「いやー、びっくりした!まさかこんなに簡単に捕まえられるとは!!」
と、おっさん。
僕は自分でもびっくりしていた。まさか、こんなに簡単に作戦が成功するとは思わなかった。
…いや、それは「作戦」と呼べる代物ではない。「ブログのネタに」と半ばキレ気味に決行しただけであったのだから。
「このハスカップって子はな〜、気性が荒い方でな〜〜、ふつうは絶対すぐには人に従わないんだぞ〜、三代目くん! 君は馬に好かれる人間だぞ〜!」
おい、「気性が荒い」とか先に言えよ。…
…馬に好かれる?
たしかにそうかもな。
なにせ、僕が半キレ気味で決行した作戦ってのが、
「自分をムツゴロウだと思い込む」という、
そして、
「よ〜しよしよし、良い子ですね〜。これは愛情表現なんですね〜、いいぃぃ〜、よ〜しよしよし!!」と言いながら近づいてみるという、
「オレオレムツゴロウ作戦」であったからだ。
正直これは、悪ふざけ以外の何ものでもないわけで、サクッと肋骨をやられても不思議ではなかったのであるが、どういうわけか見事の的中であった。僕は北海道におけるムツゴロウ氏の偉大さを実感し、「ムツゴロウ王国は未だに滅びぬっ!!!!!」と心の中で咆哮した。
…
…
次の瞬間、
思いっきり足踏まれた。「痛い痛い痛いっ!何すんのっ!!」ハスカップ(♀・6歳)がニヤッと笑った。
おっさんもニヤッと笑った。
一度は軍門に下るふりをして…なんたる性悪娘…!そして、おっさん、てめぇ…!!「このじゃじゃ馬娘め―」
僕と彼女、人間と馬との魂のぶつかり合いが、ここに開幕した。
おっさんは、まだニヤニヤしていた。
つづく
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