ジンギスカンを食し、札幌での用事は終了。
いよいよ―
いよいよ、今回の旅の目的である、北海道は十勝の牧場へと足を進める。
(※「大自然の中でリフレッシュ!!」、というのが実は今回の旅の真の目的である。以前に話した、「嫁探し」というのは、なんともはや、僕が周到に容易した巧妙な嘘だったのだ。)
―
話はちょとだけそれる。
そもそも、
今回、僕が北海道に旅行する気になった、そのきっかけ。
夏のはじめのある日、「北海道の牧場に泊めてもらえる」、という話を聞いた。この牧場は、とあるNPOが主催するもので、非営利目的なゆえ、格安(1泊千円!)で泊めてもらえる、というのだ。
「この話に乗らないわけはない!」と、僕は思い、
当初の、九州への旅行の予定を変更し、北の大地へと旅立つことを決めたのであった。
就職、というものが決まり、
だが将来への漠然とした靄は消えず、
「お金を稼ぐこと」と「人生を楽しむこと」との間で、揺れる感情。
そして結論の出しようもない、という現実。
自分にとって働く事とは?おそらく答えなどないであろう、その答えのヒントが、
自分とは大きく異なる環境、そして価値観の中で生きる人々と接することで見えてくるのでは?
と僕はその時思ったのだ。
「うわ! 安っ!!」 と小躍りした、24時間後くらいにふと思ったのだ。
―
「十勝〜 十勝〜」
車掌のアナウンスで僕は目を覚ます。
普段は「青春19切符」等を駆使し、鈍行電車にしか乗らない僕。久々に 特急 というものに乗ったせいであろうか、気持ち良く寝入ってしまっていたようだ。
十勝に到着。
…
その、
十勝で、僕のお世話をしてくれる人物。
その人物こそが
おっさん なのである。
おっさん は “いかにも” な格好で僕の前に姿を現すと、開口一番こう言った。
「もし、
僕の言うことを守らずになにかあっても、
例えば、
もしか死んじゃっても、まったくは責任は持てないからね〜
よろしく!」
…
…
目の前に、
十勝の広大な台地が広がる。

僕は、大きく息を吸い、ゴロリとその場に寝転がった。
「別に死んでもいいか―」
ちょっとだけ、そんなことも思えるような開放感が僕を包んでいた。
その時だけは。
つづく
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