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人は、現実としてありえない事を想像出来ない。
よく小説や映画にて我々の現実世界ではありえない出来事が描かれている。たとえば宇宙人であるとか。それならば、現実としてありえない事も我々は想像出来るじゃないか、と思うのだが、実のところそうではない。宇宙人もお化けも、実は最初に作った人がいる。つまり「想像」の前例がある、ということだ。それは才能のある作家なのか、妄言を重ねた狂人なのかは分からないけど、過去、その後の我々の脳内に強く印象付けうる「前例」を作り上げた人間がいるのである。それが時を経て、形になり、私達の脳に刻みこまれ、ついにはたとえ現実に存在しない物であろうとそれは想像出来うる対象と成るのである。分かりやすく言えば、「宇宙人」というキーワードに対し、僕らはあの、俗にグレーと言われる、のっぺりとした瞳の大きい白い奴を想像する。そんな奴誰も見たことないにも関わらず、だ。
先日、ありえないものを見た。僕はその出来事を友人に話す。だが、友人は僕が思っていたような反応をしてくれない。僕が"それ"を見たときの衝撃の十分の1も伝わらない。
想像できないからだ。
おそらく多くの人が一回もその光景を見ずに人生を終える。過去、小説でも映画でも、その光景を描写したという前例は、おそらくない。
僕は悔しい。僕の言語能力が足りないばかりに、その景色はこのまま歴史の闇に埋没してしまう。それは分かっている。だが、このまま手をこまねいているわけにもいかない。たとえそれが10分の1も伝わらないとしても、僕はここに記してみようと思う。
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