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先週の話。東京に今年ほぼ初といっていい雪が降ったあの日。
昼前ぐらいだろうか、僕はとある喫茶店に入った。そこは昔ながらの喫茶店。ナポリタンなんかがメニューにあり、髭をたくわえたマスターが店の奥にいる。僕はこの昔ながらの喫茶店が好きで、たまに時間を余らすと、一人で来てはコーヒーを飲みながらぐだぐだと考え事をする。
僕がこの喫茶店を好きな一番の理由は「いつもすいている」ことだ。そこそこ広い店内に、客はいつも僕の他に2、3人しかいない。せわしない日常の中でふと時間が盗まれてしまったような感覚。とにかく落ち着ける。マスターには悪いが、決して美味くないコーヒーを僕が飲みに行く理由は、その閑散さゆえであった。
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結論から言おう。
あの雪の日。僕は喫茶店に行き、そして傘を盗まれた。
傘を盗まれるくらいよくあることじゃないか、と貴方は言うかもしれない。僕もそう思う。
しかし、しかしだ、もしその日、喫茶店には自分以外には一人しか客がいなかったとしよう。
店の傘立てには、客数が二人にも関わらず、僕の傘一本しか刺さってなかったとしよう。
コーヒーを飲んでる間に、その客は帰り、
いざ店を出ようとすると傘立てが空っぽになっていたとしよう。
…
…
おかしいだろぉぉぉぉぉぉーーーー!!
普通盗むかよぉぉぉぉぉーーーーー!!
バレバレじゃんよぉぉぉぉーーーー、外めっさ雪降ってんじゃんよぉぉぉぉーーーー!!
てゆーか、お前、なんで傘持ってなかったんだよぉぉぉぉーーー!?
あの日、傘忘れるってありえないだろぉぉぉぉーー!
森田さんも三井さんもみんな言ってたじゃんよぉぉぉぉーーー!!
♪こなぁぁぁぁぁぁぁゆきぃぃぃぃぃぃぃーーーーーーー!!!ってさぁぁぁぁーーーー!!!
…
雪が積もり、ちょっと高めのシュークリームのようになった僕。街を行き交う人々は、「え?なんでこんな日に傘を持たないでに外出してんの」という目で僕を見る。
盗んでやろうか、誰かの傘を。
♪都会では〜 自殺する〜 若者が〜 増えている〜
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