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なんにでも「名前」というのは非常に大切なもので。「名は体を表す」ではないけれど、そのものの持つ名前がその全てを決めるといっても過言ではない、と僕は思う。例えば、『フェラーリ』という名前は本当に速い感じがするし、『ベンツ』と言われれば頑丈で強固なイメージがすぐに思い浮かぶ。もしこれが『フニャーリ』や『ペンツ』といった名前だったら誰が買うであろうか。こち亀の中川くんの愛車が『フニャーリF40』では、普通に両さんの自転車に追い抜かされそうだ。多分この中川くんは右と左で違う靴下を履いている。
更に言えば、名前さえ良ければ中身はわりかしどうにでもなる、という部分もある。今パッと思いついたのが、大ベストセラーとなった『リアル鬼ごっこ』という小説。 この小説(ファンの方に非常に申し訳ないのであるが、あくまで私的感想として聞いてもらいたいのであるが)、まーーーーーーーーーひどい内容だ。読んでいる本を途中で「もう読みたくない」と思ったのは、夢野久作の『ドグラ・マグラ』以来である。ある意味奇書である。
しかし、この『リアル鬼ごっこ』、前述した通り、映画化も決定した大ベストセラーである。作者が自費出版という形で世に出したにも関わらず、まあ売れに売れた。今更わざわざ言うことでもないのであるが、僕は、この本が売れた理由こそまさに「ネーミングの妙」であろう、と思うのである。
『リアル鬼ごっこ』―なんと素晴らしく完璧なネーミングであろう。誰もがやったこのある「鬼ごっこ」という言葉の持つノスタルジーかつエキサイティングな響き。それを包む「リアル」という言葉のサスペンスな香り。組み合わせが絶妙だ。ファンタジーとリアルの間。これがもし「リアルかくれんぼ」だったら、それは単なるプチ家出だし、「リアルどろけい」はぜひとも勘弁願いたい。「リアルおままごと」などは現実だけで十分で、仕事から帰って来て真っ暗な部屋に「チンして食べて下さい」のメモ紙と共に冷や飯とコロッケだけが置いてあったら、僕は幼馴染のアサミちゃんの顔面にコロッケもといドロ団子を全力でぶつけていたはずだ。そう、『リアル鬼ごっこ』という名前だからこそ、なのである。「え、リアルに鬼ごっこやっちゃっていいの!?いいの!?」…はじめてこの本を書店で見かけたときの胸の高揚感は今でも忘れない。(逆を言えばその期待が高すぎた。)
さて、あいかわらずだいぶ話がそれたわけだ。実は今日僕が言いたいのはそんなことではなく、先程行ったローソンでの話なのである。お弁当とお茶を持ってレジに向かった折のことだった。ふと、視線を下に向けると、そこにはとある商品があった。よくお団子とか置いてある所に、とても気になる商品があったのだ。
『キン肉マンの肉まん』
!!
なんと素晴らしいネーミングだ。今更「キン肉マン」のダジャレで「肉まん」を出すとは。 まさに盲点。恥ずかしげもなく誰がこんなバカバカしいことをやるというのか。感服の勝負根性ではないか…!
と思ったのは束の間で。『キン肉マンの肉まん』のその隣、僕は更なる衝撃的な商品を目のあたりにした。
『テリーマンのテリヤキハンバーグまん』
…
…
いや、これは無理あるだろ。いくらなんでも。
ダジャレとしてレベル低すぎるし。あきらかに『キン肉マンの肉まん』ありきの便乗的発想だし。ならむしろ、焼きそばパン的発想の『ラーメンまん』とか三種類の味が楽しめる『アシュラまん』とかの方がしっくりくるし。
開発者はたぶんバカだ。でも愛すべきバカだ。「いいよいいよ、いっちゃえよー」的な、悪ふざけ的な匂いがぷんぷんする。僕はこういうバカが大好きだ。
どうでしょうか開発者さん、水牛まるごと一頭入りの『バッファローまん』なんてのは?
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