ビックリマンチョコと僕に関する思い出話。その後編です。
前編ビックリマンチョコの偽物「ロッチ」の登場により、僕のビックリマンライフはそれはもうビックリするほどの変化を迎えました。
つまり、どういうことかと云うと、
僕らのビックリマンライフは、従来は、「キラ集め」がその主目的であったわけですが、そこに
「いかに偽物を掴まないか」という要素が加わったのです。
「うーん、どっちが(※)ほんものだろう…。もしキラが出ても、にせ物だったら、いみがないしなー」
(※ビックリマンには、「黄色」と「緑」の2バージョンがあり、事件発覚後すぐに「どちらかが偽物だ。」という議論が、幼稚園生の間でまことしやかになされるようになりました。)
つまり、だから、どういうことかと云うと、
僕は、その新たな局面にて、新たなポジションを発掘したのです。その名も、
ビックリ博士です。
―
「うーん、どっちがほんものだろう…。もしキラが出ても、にせ物だったら、いみがないしなー」
ビックリ博士 「ふむふむ、見てしんぜよう、単に黄色だの緑だのだけで真贋の区別はつかんぜよ。黄色をX、緑をYとし、それを『フレミングの左手はお茶碗を持つほうの手の法則』に当てはめると…
…
ほほう、これは偽物だな、後ろのやつを買いなされ。」
「あ、ありがとうございます! ビックリ博士!!」
―
ヒロシくん 「へへーん、いいだろー、ビックリマンをついに箱買いしちゃったよ。ほーら、キラもこんなに!」
ビックリ博士 「ふむふむ、ちょっといいかね? 黄色をX、緑をYとし、そこに『相対性・女がかわいいって言う女は大抵その女よりかわいくない理論』に当てはめると…
…
ああ、なんてことだ! これは全て偽物だよ!!」
ヒロシくん 「うえ〜ん、ママー」
―
時 代 到 来 。お金がなくてビックリマンチョコを買えなかった僕。「ビックリマンの偽物を見抜ける」というキャラの発掘により、幼稚園内での立場は逆転。プロフェッサー・三代目としてガキ共から崇め立てられるようになりました。
…
んで、
なぜ、僕がそのような逆転劇を演じられたか―そう、
実は、僕には貴重なビックリマン情報をリークしてくれる師匠がいたのです。
それは僕よりの5歳ほど年上の
近所のお兄ちゃんです。彼は大量のビックリマンシールに、膨大な知識を有し、まさに
「ビックリ神」とも云える存在でした。
「さすがにシールはあげられないが、偽物を見分ける方法を教えてあげよう。」彼からその御神託を授かった瞬間、
僕はしがない貧乏幼稚園児から、ビックリ博士へと華麗な転職を成し遂げたのでした。
――時は経ち
小学生になった僕は、とあることに気がつきます。(というか気付かないフリをしていただけでした。)
「ビックリマンの見分け方ってあったけど…
あの…、
偽物は、裏面を目を細めて見ると、「ロッテ」の文字が「ロッチ」に見える という見分け方…。
正直、全部…ロッテにも見てたし、ロッチにも見えたよな…。」
…
…
いいんです。
僕は、博士としてチヤホヤされ、
彼も、神と崇め立てられました。
そう、二人は夢を見たんです。
彼が、いくつものランドセルを持って下校していたこと、
彼のお母さまに、「三代目くん、また遊びに来てあげてね」と言われたこと、
彼が、今も、現役バリバリのニートとして、夢を見続けていること、
とかは、
いいんです。きっと。
…
と、言うわけで
ビックリするくらい反響のないビックリマンに関するお話でした。
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