【あらすじ】
身支度を済ませ、とりあえず目についた電車に乗り、東京を出発。一路、西へと向かうさすらいの旅、しかしそこには思わぬ障害が…。
貧乏大学生・チキチキ旅行記〜夏・その1〜貧乏大学生・チキチキ旅行記〜夏・その2〜貧乏大学生・チキチキ旅行記〜夏・その3〜気の向くままに乗った電車は遥か京都まで続く東海道本線です。
この電車、席が堅い上、向かい合いの形になっているので、個人的にはあまり好きではないかも。まあ、でも貧乏旅行で文句を言い出したらきりがないので、そこは我慢です。要は気の持ち様。「幸せはいつも心が決める」って、あの汚ねぇ字の人も言ってますでしょ?
座る席はもちろん窓側です。旅行なんだから景色を楽しまなくちゃね。幸い、東京発なので、今のところ席は空いてます。電車の発車と共に、民生の曲がいっぱい入ったMDウォークマンを再生。流れ行く景色と心地よい音楽、都会で擦り減った心が癒されていきます。
しかし、です。
そんな幸先良い旅のスタートを邪魔する者達が現れてしまいます。何曲目でしたか、朝早起きしたせいでしょうか、ウトウトしていた僕の肩に何かがぶつかってきました。
「マジで、こんな早起きありえなーい」…うっすら目を開けて横を見ると、僕にぶつかってきたモノがそんな言葉を発してました。「きゃははは、あんたメイクもしてないじゃん!」…今度は斜め前からそんな声が。うーむ、どうやら、おかしなモノが僕の旅路にゲスト出演するらしいです。こっちはまったくオファー出してないんですけどねぇ。
不機嫌そうに目を開けた僕はその声の主ふたりを改めて確認します。高校生くらいでしょうか、とても奇抜な格好をした女の子ふたりでした。
横にいる女の子はやたら肩幅が広く、金髪の髪を逆立てています。斜め前の女の子は小太りで、ショートカットでぎょろ目です。両者とも、お世辞にも顔が整っているとは言えず、格好から察するに、どこかのビジュアル系のバンドの追っかけのようでした。
東海道本線は先にも述べました通り、席が向かい合いの形です。4人で1セットといった感じ。最初はこの4人分の席を独りで占領していて気分の良かった僕ですが、このふたりの来客のせいでまったく逆の気分に…。
仮に、
肩幅の広い金髪女を
リクーム。

小太りぎょろ目女を
グルド。

とでも名づけときましょうか。
こんな感じ(↓)になりました。チェックメイトです。
空席→○ ●←グルド
俺→● ●←リクーム
このギニュー特戦隊が僕の横で、ぎゃあぎゃあ騒ぐとですよ。ヘッドフォンをしてる僕の耳に聞こえてくるのですから、このリクームとグルド、人として声のボリュームを調節するシステムがバカになってるとしか考えられません。
リクーム 「あの子、あれで○○君狙ってのよー。ありえなくないー?」
グルド 「ありえなーい、○○君はリクームちゃんに気があるのに!」
リクーム 「やっぱり、そうなのかなー、あいつ早く告白とかしてくれればいいのにー。」
グルド 「ねー、はやくしないと、リクームちゃん、他の男に取られちゃうよねー」
…
お父さんはやく来て!! 僕とクリリンさんじゃ、まったく歯が立ちません!! ボロ雑巾が落ちてると思ったらべジータさんでした!…
えっと、リクームちゃん?でしたっけ? うーん、多分だけど、そのなんとか君? 彼は別に君のことはなんとも思ってないと思うなー。
そういうのを“戯言を吐く”って言うんだよ。口から吐くのはイレイザーガンだけにしようねー。あとはグルドちゃん? 本当にそう思ってるなら、頭から上を丸々取っ替えた方がいいかな。視覚とか聴覚とか色々ちゃんと機能してない恐れがあるね。止まってるのは時じゃなくて、君の脳かもしれないよ。べジータさんに言って、首ちょん切ってもらうといいかもね。
…とまあ、そんなわけで、イライラが積もっていった僕。リクームちゃんがメイクをし終わり、仮面ライダー1号が仮面ライダー2号になった程度の変身っぷりを見届けて浜松で電車を降りました。
食べたウナギは特別うまいものではありませんでした。
旅は続く。
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